クリーニング店への不満。
勿論、聞きたいわけではありません。
出来れば、逆の話を聞きたいです。
クリーニング店へのクレームでは話にならないからと、消費者センターにご相談された方もいらっしゃいます。
クリーニングに出して酷い目にあいました!的な内容では
クリーニング屋は、製造販売してるメーカーが悪いと言い・・・
メーカーさんは、クリーニング屋の作業内容が悪いと言い・・・
最後の砦である消費者センターではドッチも悪いと言い・・・
大事な服をきれいにする場合どうしたらいいのかわかりません。
クリーニング屋さんを選ぶのもどうすればいいかわかりませんし、
服屋さんの生地についても、素人では全くわかりません。
クリーニングにだすのも恐いし、○○さんで服を買うのも恐いという感じです。
クリーニング店を利用した際のとても嫌な体験談を綴った長文のメールが届きました。
正直、返信に悩みました。
結局、倍以上の長文の返信をする事になりました。
概略は汗抜きを依頼した洋服が変色(脱色)して戻ってきた話です。
依頼するまでの事。
依頼した時の説明と対応。
納品の時の説明と対応。
アパレルメーカーさんへの問い合わせとその対応。
消費者センターへの問い合わせとその対応。
実に詳しく記載されていました。
かなり時間をかけてメールを書いてくれたんだと思います。
そして、数多くの質問。
例えば・・・
3回ぐらいクリーニングに出して色が極端に変色するのでしょうか?
色が変わる様なクリーニング屋に出したいと思う人はいません。
だから、お預かりの際の色とお渡しの際の色が変わってはいけないのです。
凄く当たり前の事ですが、思わずこんな質問をしてしまう程嫌な体験をなさったのではないかと思いました。
仮に色が変わるとすれば、とてもリスクの高いキツイ染み抜きだったか・・・
もしくは、製品の染色の堅牢度が著しく低いかです。
でも、いくらキツイ染み抜きをするにしても色を変えてまで綺麗にしようと思わないでしょう。
ただ夢中になって染み抜きをしていたら地色まで抜けちゃった!って場合はあります。
ものによっては、本当に簡単に色が抜けてしまうアイテムも御座います。
染み抜きの経験の多い人程、地色の微妙な変化を見極めるのが上手です。
また、お客様に正確に伝える事も上手です。
今回は、メーカーさんとクリーニング屋さん両者共に非を認めない部分があり、
お客様も大変戸惑った事と思います。
洋服のウラ地に付いてるタグ。
私はブログでケアラベルって言い方をしています。
実に様々な情報が記載してあるのですが、洋服を購入されたお客様の殆どは読みません。
洗濯絵表示や素材表記の意味なんか解らない方も多く、見ても解らないから!そんな理由かもしれませんね。
洗濯絵表示はメーカーさんがお奨めするメンテナンス方法です。
この表示を参考にご家庭での洗濯の際には「洗濯機洗い」と「手洗い」に分類する方もいるでしょう。
では、クリーニング屋はどうでしょう?
クリーニング屋には、エマールやアクロンと言ったドライマーク衣料用の洗剤はないかもしれませんが・・
ドライクリーニング専用の洗濯機があります。
しかし、このドライクリーニングでは落ちきれないシミや汚れがあります。
そんな場合、ウェットクリーニング(水洗い)をするのですが、メーカーさんの付けた絵表示が水洗いNGだからと言って、ドライクリーニングしかしないなら・・・・
汗染みに関しては綺麗になる事はないでしょう。
黄ばんでしまったものも落ちません。
だから、染み抜き自慢の店にはなれないと思います。
でも、トラブルにもなりません。
お客様が付けたシミを「落ちません」とそのままお返しした場合。
クリーニング屋の責任ではありません。
仮に染み抜き代を頂いた場合でも、弁償しろとは言われません。
しかし、綺麗にするための作業だとしても、お預かりの際にはなかったダメージを与えてしまってはクレームが付きます。
事前にリスクの説明や、そのリスクの同意がない場合、
クリーニング屋さんの責任だとお客様に言われても仕方ないのです。
全国何処のクリーニング屋だって、お客様からお預かりした衣類のコンディションを悪化させて良いなんて思うお店はないと思います。
何一つ、得な事がないからです。
「お預かりした服を綺麗にしよう!」
「見えない汗染みまで綺麗にしよう!」
そう思ってやった作業の結果として、お預かりの際にはなかったダメージを与えてしまった場合。
お客様をガッカリさせてしまい、クリーニング屋の信用も落としてしまう事になる可能性が高いです。
更には悪いクチコミまでされてしまうでしょう・・・・
クリーニング屋にとっても、お客様にとっても「最悪」の結果です。
お客様は「こんな風になるなら、出さない方がよかった」と思うに違いありません。
クリーニング屋も「こんな風になるなら、汗染みは落ちません」って納品した方が良かったと思うでしょう。
そんな最悪な事態を避けるために、リスクを出来るだけ少なくして綺麗にする方法を日々考えて工夫してる訳です。
そうしないと、お客様の要望にお応えする事が出来ないからです。
画像はシルク素材のワンピースです。
ラインストーンが沢山付いたデザインです。
シミは、広範囲に付着したワインだそうです。
クリックして大きな画像で見ると見やすいです。
地元のクリーニング店に断わられたとの事でお預かりしました。
お断りしたクリーニング店の気持ちも解らないではありません。
ちょっと、色落ちのテストをすると見事に赤い色が抜けます。
ぶっちゃけ、私は染み抜きをする際にビビる事がよくあります。
でも、結局は染み抜きをします。
リスキーな染み抜きだと解ってても、やるのはどうしてでしょう?
NHKのプロフェッショナル仕事の流儀的にカッコよく守り通してる流儀があるとすれば・・・
それは「お客様とのコミュニケーション」です。
実際に、染み抜きをする私が時間をかけてお客様とお話をします。
作業に伴うリスクだって、正直に話します。
この赤のワンピース。
ワインの染み抜きをした箇所が脱色するかも。
かなり薄手で、向こう側が透けて見える程のシルク素材です。
染み抜きをした箇所の生地の目がヨレるかもしれません。
そのせいで質感の段差を生じてしまい、違和感を感じる様になるかも。
でも・・・
私はぶっちゃけ、そうならないと思うから染み抜きをするわけです。
お客様とのお話を省いて、リスクの高い染み抜きは出来ません。
ワインのシミは成功率がかなり高いですよ。
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